やまもと小児科

赤ちゃんの頭のかたち外来

滋賀県守山市
やまもと小児科

赤ちゃんの頭のゆがみは、基本的には向き癖によるものがほとんどです。長い時間、あたまを同じ方向を向いて寝ることで、重力の影響により接地している面の成長が抑えられ、接地面以外が大きく成長することによって、斜頭や短頭といった頭蓋変形をきたしてきます。
また、頻度は低いものの頭蓋骨縫合早期癒合症などの病的変形の場合があります。
*頭蓋骨縫合早期癒合症が疑われるときは、提携している総合病院や大学病院に紹介させていただきます。

頭のゆがみのパターン

斜頭症 斜頭症
向き癖や斜頸のある赤ちゃんによく見られ、頭頂から見ると、平行四辺形に見えます。また耳の位置の左右差がある場合があります。
短頭症 短頭症(絶壁頭)
絶壁と表現されることが多く、仰向け寝の時間が長い赤ちゃんによく見られます。
長頭症 長頭症
長い時間横向きで寝ていた場合に発生することが多く、保育器内で横向きの姿勢をとることが多い未熟児の赤ちゃんによく見られます。

頭の変形による影響

基本的に脳の成長や精神発達に大きな影響を与えることはないと言われていますが、赤ちゃんの頭のゆがみに対する不安を抱えながら育児を続けることがネガティブな影響を与えるとすれば望ましいことではありません。また、将来的に顔面や耳の左右差が発生し、整容的問題(見た目の悪さ)だけでなく噛み合わせ、眼鏡がかけにくい等の問題が発生する可能性があります。

治療法について

① 理学療法的アプローチ
これまでまず勧めてきた体位変換等による主に向き癖を改善する工夫や、タミータイムと言って赤ちゃんが起きているときにうつ伏せ運動の時間を多くとる方法です。軽症のゆがみはこのような対処だけでも改善が期待できます。
② ヘルメット療法
赤ちゃんにオーダーメイドのヘルメットを装着し約半年間かけて、頭の成長を調整する方法です。1998年に米国で初めて医療機器として承認され、日本では2018年に承認された治療法になります。
米国の小児科の教科書には赤ちゃんの頭の変形に対する治療としてヘルメットによる治療が明記されています。
以下にヘルメット療法の詳しい説明を述べます。

ヘルメット治療

ヘルメット治療とは、赤ちゃんに対し、ヘルメットを装着することで頭の形状を改善する治療法です。
頭の平らになった部分にヘルメットで空間をつくり、 赤ちゃん自らの頭蓋成長を原動力として、平らな部分に成長を促します(*ヘルメット治療は、頭に圧力をかけて形を変形させるものではありません)。
ヘルメットは、一人ひとりの頭の形状に合わせてオーダーメイドで設計、作成するため、発注から受け取りまで7-10日間かかります。
ヘルメット治療は日本では保険適応外のため、自由診療になります。保険適応外ですが、医療機器として承認されており、 当院では日本製の『ベビーバンド』を使用しています。

ヘルメット治療の開始時期

生後3-6か月が推奨です。7か月以降でも改善効果はありますが、7か月以前に比べて改善効果は低減する傾向にあります。
生後3か月未満の時期は寝かせ方指導、タミータイムで改善を目指します。

治療期間

約2-6か月が標準です。

ヘルメット装着時間

1日23時間が推奨されます(入浴、お手入れの時間以外)。

治療費用(自費)

33万円(税込み)

治療費用には以下が含まれます。

支払方法: 現金、銀行振込

ベビーバンドの詳細は
ベビーバンド(株式会社Berry)

ヘルメット治療の流れ

ヘルメット治療外来は毎週金曜日午後に完全予約制で行っています。
受診を希望される方は直接当院受付(077-581-2375)にお電話で申し込んでください。

① 頭蓋変形の疑いとして受診(保険診療)

頭蓋変形の原因診断、全身状態、発達の評価。
3Dカメラでの撮影。ヘルメット治療についての説明。

② 再診(①と同日の場合もあり)

頭蓋変形重症度の結果説明。結果説明後に、ヘルメット治療の希望があれば、ヘルメット治療同意書。
治療費用入金確認後にヘルメット製作発注となります。 オーダーメイドのため、発注後約7-10日かかります。 ヘルメット製作オーダー後から自由診療(自費)となります。

③ 再診

ヘルメット装着、フィッティング。装着後は3-4週毎に治療経過や赤ちゃんに皮膚トラブルなどがないか、経過観察の受診をしていただきます。

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